サーティグラスボーイズ人権コンサートの感想
【2022年12月1日(木) 松茂町人権のつどい】




【2004年 ○○高等学校生徒】
私は中学校から音楽をしていて好きなので自然に集中して曲を聴きました。楽器を弾きながら歌うのはとても難しいのに、歌声も綺麗ですごいと思いました。
一番印象に残っているのは「手紙」で、歌う前の説明から涙が出そうでしたが、《私の好きなみつるさん》という始めの歌詞を聞いた瞬間、こらえられなくなりました。一緒になれないのなら死のう、と言うほど互いに想い合っているのに、どうして部落で生まれたという理由で結婚できないのか。自殺した女性のことを考えれば悲しく悔しく納得できません。部落差別は純粋な2人の気持ちを不幸にしてしまう。もし私の身近な人の心の中に部落に対する偏見や差別心を持った人がいれば、私が気づかないだけで部落差別は存在するのです。
私の育ったところは田舎なので、高校では寮生活をしていて両親とは離れて生活しています。山とか田舎とかバカにされますが、私には不便でも山も田舎も自然がいっぱいで、大切な人がいるところが好きだし誇りに思います。
部落の人も自分の育った地域を愛し誇りに思って欲しい。生まれた場所だけで差別されることが変だということぐらい、誰でも分かるはずです。差別する人は差別を知ることで自分の差別心に気づき、少しずつ差別心が消えると思います。
だからサーティグラスボーイズの皆さんが行っている人権コンサートや、差別解消について意見交換する場や勉強する場を増やすべきだと思います。しゃべるだけの活動は意味がなく、一人ひとりが少しずつでも差別心に気づき、なくす努力をするになれば、自分たちが思っているより簡単に差別がなくなるのではないでしょうか。
私は演説より音楽や自分の好きなことや、その人の得意なことで人権についてお話をしてくださったり、私たちに伝えてくださることの方が良かったので、とても楽しみでした。それにサーティグラスボーイズの方々はダンディでかっこ良かく丁寧に歌っていただき聞きやすかった。知らない歌が多かったけど、どれも歌詞がとても良かったです。
江口いとさんの「人の値打ち」と言うのは良く知っていたので、メロディが付くとまた違った気持ちで聞くことができました。
結婚に関する差別も習ったことがあるので自分だったらどうしただろうという気持ちで聞くことができました。
手紙という曲は実際にあったことだと聞いて、とても胸が苦しくなり、この歌詞を書いた人はどんな気持ちだったのだろうと思いました。自分から命を絶つぐらい差別というものに追い詰められたかと思うと、本当に言葉ではうまく表されません。結婚差別は今までもあると思うので、将来私たちにもとても重要なことだと思いました。
エイズについての歌も歌ってくれて、メモリアルキルトなどということも教えてくれた。エイズも今の私たちにはとても近い問題だと思います。今から私たちが理解を持っていないと、また差別につながるので、正しい知識を身に付けていきたいと思います。
友達についての歌もたくさん歌ってくれて、今の友達をずっと大事にしたいと思いました。卒業してみんなと離れても今まで以上の関係でずっとおりたいと本当に思いました。
今も変わらずある結婚差別、これから大きくなっていくエイズについての差別、それ以外にも友達の大切さ、たくさんの歌を通して教えていただきました。大人に近付いているからこそ、今以上に差別という現実と向き合って行くべきだと思いました。またの機会があれば歌って欲しいし、私たちのために貴重な時間をありがとうございました。
サーティグラスボーイズの人権コンサートが何十年も続けられていることを聞いて、とても衝撃的でした。私も自分のしていることを何十年も続けられるよう頑張ろうと思いました。
歌の方は「友達」が印象的で手話もしていたので耳の不自由な人も楽しめました。その歌詞の中に《おまえが泣きたい時は、おまえの涙を拾ってくれる》《おまえが苦しい時は、おまえの苦しみを背負ってくれる》という部分があり、私はその部分に共感してしまいました。本当に友達は、私の苦しみや悲しみを軽くしてくれます。私も友達の支えになったり、相手のことを考えていきたいと思います。
歌の中にノンフィクションがあることに驚きました。でも人権について書かれてある歌はほとんどが作り物ではないような気がします。
【2003年 ○○小学校 親子人権集会】
サーティグラスボーイズというバンドのお二人をゲストに迎え、楽しく歌いながら一人ひとりを大切にすることを学びました。子どもたちが大好きな「ともだち」を、手話を交えて生演奏に合わせ親子一緒に歌いました。5年ほど前から本校も「野に咲く花のように」など、手話コーラスを通じて全校で手話を勉強しています。PTA人権教育部や6年児童の運営で、楽しい人権集会となりました。
【児童の感想】
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歌を聞くのは、とても楽しかった。みんなで仲良く手話をできたのが良かった。
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2人だったけど、とても上手でした。「ともだち」の演奏がとても上手だったです。
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みんなで歌を聞いたり、手話コーラスをしたり、歌ったりするととてもいい気持ち。
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友だちが多いほど、歌も手話も楽しくなると思いました。
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聞いているうちに楽しくなり、最後には歌えるようになりました。
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友達の歌を聞くと本当に友だちは大事だなと思いました。
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なぐさめてくれる感じがよく出ている歌だなと思いました。
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人の値打ちを聞いて、私も見た目で人の値打ちを決めているかなぁと思いました。
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生杉さんの歌は上手で、みんなが大きな声を出したので私も大きな声を出せました。
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エイズにかかった人は差別されて悲しかったと思いました。
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たくさん歌を上手に歌ってくれたので,とても楽しかったです。
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手話コーラスは最初、恥ずかしかったけれど、だんだんうまくできました。
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お母さんにコンサートを見せてあげたかったです。だから家でそのことを話しました。
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種類の違うギターで「大きな古時計」を上手に早く弾けるのがすごいと思いました。
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生演奏なので「ともだち」の歌も上手に歌えるなぁと思いました。
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手話コーラス「ともだち」の生演奏は大きな音で、やる気がわいてきました。
【保護者の感想】
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サーティグラスボーイズが歌ってくださった1曲1曲がとてもよい歌詞で、人権問題についてとても考えさせられるような内容でした。
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人は一人では生きていけないこと、周りの支えがあること、大切にするもの、絆、仲間、生きていることへの感謝の気持ち、私たちの頭や理屈では分かっていても、何か忘れているようなことを呼び覚ましてくれる1時間でした。
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久し振りのコンサートでとても良かった。学校の外からの刺激、社会の中で動いている人権意識のようなものが感じられて、大変充実感がありました。
【2003年 広報 阿南 2月号より抜粋】
阿南市、阿南市教育委員会、阿南市人権教育協議会は、12月の人権週間行事の一環として人権作文を募集したところ、市内の小・中・高・高専・養護学校・市民から99点の応募がありました。その中から、中学校の部の最優秀作品を紹介させていただきます。
この人権作文は、母の誘いで参加した人権講座で、部落差別や障害者差別の現実を知り、自らの人権意識を素直に問い直し、差別をなくしていこうとする思いが強く出ています。
また、親が、人権問題にかかわろうとする自らの生きざまを子どもに示している力強い姿もよく表現されている作品です。
《新野中学校2学年 山田夏実》
あれは、昨年の11月のことでした。中間テストを終えて、久しぶりの部活にここちよい汗を流して帰宅した私に、「なっちゃん、今晩、新野西小学校でコンサートがあるけんいっしょに行こう。」という母の元気な声。私は、何が何だか分からないまま母に連れられ、新野西小学校に向かいました。それは町内で行われている人権講座だったのです。
私はこの時初めて自分の住んでいる新野町において「人権」を中心とした研修の場が設けられていることを知りました。
私が参加した人権コンサートは、県内のおじさんたち5人で結成されているサーティグラスボーイズというグループを迎え、人権に関する歌を聞いたり一緒に歌ったりしながら時間は流れていきました。なかでも歌と歌の間に話される生杉さんの一つ一つの言葉から部落差別や障害者差別の現実を知り、「人の良さって何だろう、人権っていったいなんだろう。」と自分に問いかける貴重な時間となりました。
人権コンサートのなかで歌われていた歌は、ほとんどと言っていいほど私にとって初めて耳にしたものでした。そのなかで自分の心のなかに一番ずしりときたのは愛媛県の江口いとさんの詩集「いばらを越えて」から抜粋されている『人の値うち』という詩でした。この詩を聞いただけでこの人がいろんな思いをして生きぬいてきた人だと分かりました。
人間は、いろいろな過ちをおかしているのです。着ている人の身なりで、その人を判断したり、学歴や生まれた場所でその人がすばらしいとかダメだとか。本当に矛盾していることが人間社会にはあって、この過ちがたくさんの人を不幸にしている現実を私たちはしっかり考えていかなければいけないと思いました。その人の良さは、見かけや、学歴・出身地で判断されるべきものではなくてその人のもっている人間性からくるものなのだと思います。そして、人には違ったいいところが必ずあるのです。その良さを見つけ、認め合うことではじめて人権社会が成り立っているものだと思いました。
間違った意識や偏見が差別を生み出しているものだと思います。
「子どもたちに豊かな未来を」というテーマでの人権講座(人権コンサート)は、午後7時30分に開演し、終了予定時刻の9時を過ぎても熱気ムンムンで、参加している私自身が「もっと続いたらいいのになあ。」と思う内容でした。このテーマ通り、人権講座は、私たちの豊かな未来を実現するために企画されたものなのです。そして町民全体で差別について真剣に考えて取り組んでいこうとする時間であったのです。
仕事を終え、クタクタになって帰宅し、休息も取れないまま新野西小学校へ向かう母の姿を見て、私たちの未来も捨てたものではないと感じました。人権について考えているのは私たち子どもだけではなく、大人の人たちもしっかり考えてくれているのだと思うと、とても温かな気持ちになっている自分に気がつきました。
【2001年 ○○小学校生徒】
私は、今日の人権コンサートで差別をなくさないといけないということに、みんなの心が一つになったような気がしました。それにコンサートの時みんな笑っていてとても楽しかったです。優しそうな5人の人の歌も最高でした。5人の人たちのおかげでみんなの心が一つになったし、みんな笑えて良かったと思います。私はまた5人の人たちの歌が聞きたいです。本当に楽しかったです。
僕は、人権コンサートで「ともだち」の歌を聞いて、友達がいないとあかんと思いました。それとギターやバイオリンなどを5人で力を合わせてひいていました。今度も聞きに行きたいです。みんなで力を合わせたらきれいな音になっていました。
私が一番心に残った歌は友だちです。その歌を聞いて私は本当に友だちはだいじやなあと思いました。そして汽車も面白かったです。時々ピッと鳴ってないのに違う方を向いてしまってみんなで笑いました。とても楽しかったです。おもしろいコンサートをありがとうございました。
【2001年 ○○小学校生徒】
人権コンサートの一曲に「ともだち」がありました。子どもたちに伝えたいメッセージであるとともに40才を迎える私にも「本当にそうだな」と思う一節です。結婚・出産・育児と時を過ごすうちに独身時代の友だちとはだんだん疎遠になり、気がついてみると周りに親しくつき合える友だちが見つからない、専業主婦から勤めを始めて、約2年、仕事を通じて得た友人を想うときこの詩のように涙・苦しみ・喜びを分かち合える友だちのありがたさをしみじみ感じるのです。
女性の一生に出産・育児はつきもの、尊い経験であるけれど、どこか社会から孤立感を感じる時代でもある。ある程度子育てを終えた40~50才の頃にこそ本当に友だちが必要な時代かもしれない。深い心のつきあいのできる良き友を大切にして、自分自身も健康な心を持って人に接することが人権尊重につながると考えます。(保護者)
今日の人権コンサートは、体験型のコンサートでみんなが飽きることなく楽しく過ごせたと思います。また子どもたちにもわかりやすく親しみがわくような語りかけ、友だちの大切さ、人の命の大切さ、だれでもみんな生きる価値があるということ、時には差別されることの悲しさなどが歌にでていて音楽を通して私たちに訴えたいことが伝わってきました。これからもこのようなコンサートをずっと続けていってほしいと思います。(保護者)
【1999年 ○○中学校生徒】
サーティグラスボーイズは、おじさんばかりで大丈夫かなと思いましたが、以外に上手だったのでびっくりしました。歌詞の中に私の知っているのも結構ありました。どんな風に歌うのか待ちかまえてしまう自分がとても不思議でした。
また悲しい暗い感じの詩もあって、悲しそうな唄になるのかなあと思っていたら、ちょっと感じが違ったり。楽しく陽気な詩でもサーティグラスボーイズの人たちにかかると、たちまちちがう雰囲気になっていきます。そんな不思議な力があるのだと思って少しうらやましかったです。私は体育館の中が寒くてふるえていたから、リズムをとることもできなかったけど、一生懸命聞いていると体が寒いながらも心は温かくなっていました。
今まで人権教育というと、少し暗くなってしまいがちなのに、明るく楽しく人権学習を教えていただいてとても頭に残りました。僕が一番心に残った歌は、「人の値打ち」です。今はみんなが身なりや学歴で人の価値を決めてしまいます。僕はみんなが早くこの間違いに気づいてほしいと思います。
3年間のなかで一番心に残るコンサートでした。とてもわかりやすくて、唄いやすくて非常にいいコンサートでした。また、部落差別などを吹き飛ばすぐらいの勢いで唄ってくれました。来年にぼくが中学校3年生になるなら、もう一度坂野中学校に来てほしいですが、高校なので残念です。サーティグラスボーイズのみなさん楽しい思い出をありがとうございました。
人権問題を楽しい歌に表してくれたので、堅苦しくもなく心にとけ込むようにして学習することができました。音楽をみんなが楽しく聞いて、拍手をしたりして坂中の全員が一つになったような気がしました。このコンサートをこれからの同和問題学習に役立てて、少しづつでも差別とか偏見とかそういう問題がなくなっていけばいいなと思います。ありがとうございました。